1 本の選び方 ・選ぶ基準 ・探し方 ・ジャンルについて
2 原稿用紙の書き方
3 書き方のキホン
4 何を書いたらよいか
●1 本の選び方
選ぶ基準
あらかじめ読む本が決められている場合を除き、感想文を書くにはまず本を決めなければなりませんね。
自分の好きな本で書くのが一番なのですが、普段本なんて読まない人なんかは、宿題を出されて初めて探すのが殆どでしょう。
そういった時、どんな本を選ぶと感想文を書きやすいでしょうか。
短い
内容がわかりやすい
書く事が思いつきやすい
まず、短編小説がオススメです。
本を読まないで感想文を書く方法もありますが、ある程度の作文力が要ると思うので、早く読める短編小説を選べばよいと思います。本を買うのが面倒な人はネットの青空文庫などを流し読みして好きなものを選び、プリントアウトするのがよいでしょう。
内容のわかりやすさ、というのはイコール文章の簡単さではありません。
その小説では何がいいたいのか、がはっきりしているという点です。小説を読んでみて、その本のテーマが良く分からない?という場合はやめた方が無難です。
短編小説はたいていそのテーマを隠すという傾向があるので、解説などを読んでみるとヒントになるかもしれません。
書く事が思いつきやすい、というのはその小説のテーマに由来してます。
自分にとって興味のないことについて作文を書け、といわれても全然書く事が出来ないですけど、自分にとって言いたい事や主張があることに関しては文章が書きやすいですよね。フィーリングが合う小説を見つけると感想文がスムーズに書けます。
逆にその小説の中に自分が興味のある部分を見つけるのも、感想文にとって、あらゆる作文にとって重要でしょう。
具体的には、自分と年齢の近い主人公である・現代にも結びつく問題が描かれている・自分にとって興味のあることや、身近なテーマである・解説が詳しい・・・などを意識してください。
探し方
こういう本が書きやすい、というのは分かったけど世の中にいっぱいある本の中から選ぶのは大変!ですよね。
そういう場合は、せっかくネットがあるのですから、書評サイトを使いましょ。ネット上には沢山のレビューが溢れています。ジャンル別にしていたり、簡単な本の紹介をしてくれていたりしますから、ネットサーフィン(死語?)して調べてみましょう。わたしみたいにあんまり本を読まない人間に聞くより詳しいハズ。
そうでなかったら、中学や高校でもらった国語の資料集をちょっと見てみてください。有名な作家の作品がいくつかのっていますから、その中で読みやすそうで、短編中篇のものを捜してみると意外にいいものがあったりします。
古いものは青空文庫にある場合も多いです。
また中学校や小学校のとき読んだ国語の教科書から作品を取るのも一つの手です。
教科書にのっている作品は、長編の冒頭部や短編である事が殆ど。沢山の作品を載せるのですからみんな短くなってますよね。
図書館で他校の教科書を見てみるのもいいです。昔授業でやったことのある作品ならばテーマなども掴みやすいですし、問題点も見つけやすい(かも)。
わたしは、入試やテストで出た小説を使ってみたりしました。本を読むのがそれほど得意ではないので強制的に読まなければならないテスト問題の作品を選ぶしか手がなかった、という理由もあるんですが(笑)。ただし入試に選ばれるぐらいなので難しいものも含まれてました・・・
個人でも調べてみますが、感想文を書くのに役立つ良いサイトがあったら、是非ご一報を。
ジャンルについて
前々から、文学作品を薦めてきましたが、好みもありますので一応感想文を書くのに向いているかな、穴場かな、といったジャンルとその注意点を考察してみました。
文学 青空文庫を使うと早い。走れメロス(太宰治)、蜘蛛の糸(芥川龍之介)、など道徳的作品の方がわかりやすい。作品について触れるよりも、自分の体験を書くための切っ掛けとして。
自伝 最近流行り。障害者やお偉いさんやお年寄りや優秀な若者が自伝やエッセイに近いものを出版している。話題になっているものを選ぼう。自伝のいいところは、リアルなので「痛感」させられる事が多いところ。自分がこの人の立場だったら、といった身近な視点で。書き易いかもしれない分、感想文が散漫になりがちなため注意もいる。
物語 ファンタジーやSFは慎重に選ぶべき。「面白い」は感想にしにくい。自分が感動した、興奮した点はどういうところか、なぜ面白いのか、といった分析的視点を持つと書きやすい。粗筋をなぞるだけでは感想文としてはよくない。感想文としてのテーマを見つけられればこっちのもん。
評論 評論は読書感想文というよりも高校入試・大学入試等の小論文のつもりで書くと書きやすい。作者の考えをまとめたら、それに対する自分の考えを述べればよい。ただし、自分の考えよりも作者の考えを要約する方に重点を置いてしまいがち。個人的には難しいんじゃないかなと思う。
実用書等 例えば社会とかの宿題などで出される感想文。作者の考えなどが見えない純粋な知識本は、要約文にならないように注意したい。基本的には作文を書くつもりで。
作者の考えを重要視している専門分野の本は、作者の考えを充分に読み取る事が重要。良くそれを読んでいるかどうかを評価されるため。その本以外からも、その分野についての知識を増やす事が必要だと思われるのでネットを利用するといいかもしれない。批判する場合は充分な材料を集めること。
あなたが書き易いと思ったオススメの本を教えてくださいッ!掲示板はコチラです。例に従って書いてくださいね。よろしくお願いします
m(_ _)m
●2 原稿用紙の書き方
地方や教師によって違いはありますが、とりあえずわたしが今まで使ってきたやり方です。使う用紙は基本的には400字詰縦書き。
1 題名は上に2、3マス開ける。二行目に書く場合もある。 |
2 名前は題名の次の行に、下詰めで。1、2マス下に空ける。年組番号と氏名の間、名字と名前の間にはそれぞれ1マス開ける。 |
3 始まりの行は1マス開ける。 |
4 改行した後は1マス開ける。 |
5 会話文では改行する。1マスは開けなくて良い。(会話文以外の「」は改行しない) |
6 「 」 。 、 ! ? などは1文字分。 |
7 。」は1マスに入れる。 |
8 ―― ・・・・・・はそれぞれ2マス |
9 引用文は1文字下げるか、「」を使う。 |
10 句読点、閉じかぎ、々などは行頭にもってこない。 |
11 数字は漢数字を用いる。 |
1 メモをとる
小学校のころから作文の書き方では必ず登場する「メモ」。わたしも今の今までやらなかったのですが、最近やってみるととても書き易いことに気付きました(笑)。
詳しく書ける人はいいんですが、面倒くさがり屋は箇条書きにわら半紙なんかに書きなぐる。
思いついたことを全部書いたら、その中から筋が通ったものを選びます。同時に書く順番も決めていった方がよいです。
ここで大事なのは主題を一つ決めることです。一番いいたいなというものに丸をつけて、後はそれを引き立てるためのものを書いていきましょう。沢山思いつかなくても、主題さえ決めてやればそれについて詳しく書けばよいわけです。
2 構成
小学校のときやりましたね。初め 中 終わり ってやつ。基本的にはこれです。
先ほどのメモを並べたら、どこからが中で、どこからが終わりかな、というのを決めます。大まかなものでよいです。穴がいっぱいあっても大丈夫。
メモに書いたことをどこに入れるかが決まったら、より詳しいことを決めていきます。今度は紙に書かなくてもいいです。どういった流れで書いていくかを頭の中でイメ〜ジです。それと同時により細かな構成を決めます。
構成の例
はじめ 書き出し(どうしてこの本を選んだのか・前評判・最初の感想・などなど)
あらすじ(なるべく簡潔に書く。粗筋で字数を埋めようとしないこと)
なか 単純な感想(面白かった、悲しかった、びっくりした、感心した、などの基本的な感想)
スパイス(逆説の接続詞っぽい感想。違う視点で。)
おわり テーマを踏まえた、まとめ的感想
自分の変化(この本が自分に与えた影響)
はじめ 書き出し
なか 粗筋にそって感想を少しずつ書いていく
おわり 全体的感想
スパイス的感想
自分の変化
はじめ 書き出し
なか この本のテーマや心に残ったこと
それに関連した自分の体験、考え、
おわり 自分の変化
3 書く
一応メモを見ながら書きますが、厳格にメモを守る必要はありません。ある部分を長く書いてしまったら削るし、逆にいっぱい余ってしまったら、中の部分を増やしたりしなければなりません。メモはあくまで雑にといったのはこのためです。
書いているときの注意点
・主題から脱線していないか。
・何度も読み返して、感想文が流れにそっているか、箇条書きになってしまっていないか、などをチェック。
・句読点は少なすぎないか、多すぎないか。接続詞が多すぎないか、改行が多すぎないか、を気にします。個人的には読点(、)よりも句点を多く。改行ははじめ、中、終わりの境目では必ずする。接続詞は適切なものを選ぶ。などを気をつけました。そのほかにも文章が変にならないような注意をしながら書く必要があります。書いているときは全部書いてしまいたい、という人は下書きの原稿用紙を用意して何度も書き直すのもいい方法だと思います。
文章の注意点は別のところに書いてあります。
・引用やあらすじが多すぎないように。
・原稿用紙の枚数を調整しながら書いていく。
4 見直し
見直しは3のところでやった注意点を最後にもう一度確認するだけです。ただそれプラス誤字をチェックしましょう。一晩たってから行なうとより客観的に見れて正確な見直しが出来るかと思います。
●4 何を書いたらよいか
これまではどうやって書いたらよいかという方法論を述べてきましたが、ここでは「何を」書くべきかという感想文の中身について考えていきたいと思います。
自分の体験を作文的に書く
感想文のコンクールの優秀作品は大抵本のことではなく自分の事を書いています。
感想文とは、面白かった、感動した、悲しかった、印象に残った、などを書く場ではないということです。
感想文とはその本とのつながり、共に流れるモノ――関係というべきでしょうか――を記す場なのです。その本の中から自分と関係のあるものを無理矢理引っ張り出して自分の事を書くのが、一番感想文として正しい形なのですね。作文が得意なのに感想文が苦手、という人はそこが間違っているんじゃないかと。感想文という形に捕らわれすぎては先が進みません。
例えば「おばあさんと女の子の心の交流」を描いた物語があったら、自分のおばあさんとの事を書けばいいわけですよ。
本当は感想文の書き方はそれに絞られるんですけど、ある程度作文を書く力がないと難しい場合もあります。
これについて詳しくは 作文が得意な人のための感想文の方法 で書きたいと思っています。
自分の意見を小論文的に書く
本はテレビや他の媒体と違って歴史の長いメディアです。そのために「古臭い」物もメジャーに残っているわけですが、人間がたかが数十年でそう変わるわけはありませんから現代にもつながる問題を必ず含んでいるハズです。それを見つけて、本からその問題に主題を移して自分の意見を書いてしまえば簡単に字数が埋まります。ある程度の知識や自分の考えというものが必要ですが、感想文の中身としてはかなり有効な手だと思います。
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